kaeguriの日記

2歳になる娘と猫1匹との暮らしです。プロフィール画像は奥さんがお風呂に描いた娘の似顔絵。

にぐるまひいて

まだ社会人になって間もない頃、百貨店でほるぷ出版の海外秀作絵本セットの販売を行っているのを、たまたま通りがかりに見つけました。近くにいってみると、子供のころ母に読んでもらった絵本が何冊も入っていていました。当時住んでいたすきま風の入るぼろの懐かしい我が家のことなどがパッと頭に浮かび上がり、決して安くはない金額でしたが思い切ってセットで全70冊を購入しました。

いずれ子供ができたら一緒に読めるし、、と思ってから結構な時間が経ち、ようやく子供が読める年齢になりました。本当にこれ秀作なのかな、、、と首を傾げたくなるものもある一方で、確かにこれは素敵だというものが含まれています。ただ、大人が見て素晴しいと思う物を子供が読みたがるかというと、そういうわけでもなく、また年齢によって読みたい本の傾向が変わってくるのが面白いです。

本棚から娘が自分で読みたい本を持ってくるのですが、だいたい「もういっかい」といって、1冊の絵本を2〜5回くらい繰り返して読むことになります。大人が読んでもいいな、という絵本は何度繰り返して読んでも疲れません。「にぐるまひいて」は最近娘が「もういっかい」を繰り返す、とても素敵な方の一冊です。

にぐるまひいて

にぐるまひいて

自然と共に生きる穏やかな生活。3月にはカエデからとった樹液で砂糖を作り、4月には父さんが刈り取った羊の毛を母さんが紡いで、紡いだ糸で娘は手袋を編むのです。語り継がれてきた循環する物語に、バーバラ・クーニーのやさしい絵が良く合っています。私は糸を紡ぐところを実際に見たことがあります。(母も綿を栽培し、糸車で糸を紡いで、紡いだ糸を草木で染色し布を織ります。)昔日本にもあった風景に重なるところもあり、どこか懐かしく思えるのかもしれません。